朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】



吹雪さんが妖艶とすら言える微笑を浮かべて店に入って来た。


「遙音がそうしたいんなら、流夜も降渡も反対することないんじゃない?」
 

最強のお出ましだった。
 

流夜くんと降渡さんから反論はない。吹雪さんは当然のように微笑む。


「発案者流夜なんだし、がんばってよね」


「……ああ」


「降渡は流夜の足引っ張らないようにね」


「俺に注意することってそこなの?」


「それ以外にあるの?」


「……ないです」
 

変らぬ表情で言われて、降渡さんがしおしおと引き下がった。つよー。


「じゃー三人は隠れてようね」
 

はいはーい、と吹雪さんが私たちを押していく。


首を巡らせて流夜くんを見た。


流夜くんは疲れた顔をしていたのを、私が見ているのに気づいてふっと微笑んだ。
 

ずきっと、した。