朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】



「――神宮」


「あ?」


「俺も同席させてくれ」


「………」


「お願い、します」


「……どうしてだ?」
 

私の耳にも、流夜くんの声は冷えて聞こえる。


「お前らが俺の親代わりって立場でいてくれるなら、頼むのは俺からあることも筋だと思う」


「「………」」
 

流夜くんと降渡さんは同じ顔で黙然としている。


先輩は真っ直ぐに二人を見上げる。


私は、これが答えなんだと気づいた。
 

先輩の進路は、先輩のもの。先輩の人生は先輩が決めるもの。


だから、私や笑満が何をするというわけではなく。


本人の問題なのだと。


本人が動かないと、何も変わらないということ。


降渡さんは言った。「お膳立てはいくらでもする」。その意味。
 

その思考を肯定するような声が響いた。


「いーんじゃない?」