朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】



「あれ? 龍生さんは? なんか降渡さんが店主みたいになってますけど」
 

笑満が首を廻らした。ここの主は龍生さんなのに、姿が見当たらない。


「あ、買い出し行ってる。その間ここ、貸し切りにさせてもらったから」


「い、いいんですか⁉ お店の営業に支障出るんじゃ――」
 

笑満が不安そうに言うと、降渡さんは軽く手を振った。


「あ、大丈夫だいじょーぶ。遙音の問題解決のためにここ貸してって言ったら、

「じゃあ仕入れでもしてくるわ」って自主的に出て行っちゃっただけだから。ココが必要な人は通すしねー。だから今は俺が偽店主」


「………偽店主、ですか」


「紛い物店主でもいーよ」
 

どっちも嫌な表現だな。ぼったくられたらどうしよう。