朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】



「お前勝手に巻き込むんじゃねえよ」


「ごめんねーりゅうの愛しの彼女だからこそ口が軽くなっちゃってねー」


「てめーは年中口に重石でもつけとけ。咲桜、訊くんなら俺に言え。こいつ頼ると遙音の回収とか雑用押し付けられるから」


「雑用⁉ 俺雑用でここへ連れて来られたの⁉」
 

回復していた先輩が、さっきとは違う蒼い顔で悲鳴をあげた。


「頼! お前も笑うな!」
 

次はこそっと口元を押さえる頼に怒鳴った。頼の肩が小刻みに震えている。


「あれ? 先生――流夜くん、眼鏡、……いいんですか?」
 

私たちが入ったときからお客さんのいない店内だったけど、笑満は反射で言い直した。


笑満の憶測の心配は、流夜くんの今の姿が答えだった。


『教師神宮』では、ない格好。プライベートの神宮流夜の姿。


「ああ、まあな。昔、松生のご両親追い返したのが龍さんらしいから、たぶんほんとのこと言ってもいいかなと」


「………」
 

やっぱり龍生さんだったか……。