「お前勝手に巻き込むんじゃねえよ」
「ごめんねーりゅうの愛しの彼女だからこそ口が軽くなっちゃってねー」
「てめーは年中口に重石でもつけとけ。咲桜、訊くんなら俺に言え。こいつ頼ると遙音の回収とか雑用押し付けられるから」
「雑用⁉ 俺雑用でここへ連れて来られたの⁉」
回復していた先輩が、さっきとは違う蒼い顔で悲鳴をあげた。
「頼! お前も笑うな!」
次はこそっと口元を押さえる頼に怒鳴った。頼の肩が小刻みに震えている。
「あれ? 先生――流夜くん、眼鏡、……いいんですか?」
私たちが入ったときからお客さんのいない店内だったけど、笑満は反射で言い直した。
笑満の憶測の心配は、流夜くんの今の姿が答えだった。
『教師神宮』では、ない格好。プライベートの神宮流夜の姿。
「ああ、まあな。昔、松生のご両親追い返したのが龍さんらしいから、たぶんほんとのこと言ってもいいかなと」
「………」
やっぱり龍生さんだったか……。



