敬語を排した冷えた声音。そこまで大きく響いたわけではない私の一言が氷の矢のように場を冷やした。
頼は変わりないけど、笑満は私をおさえようと焦って腕を摑んで、先輩は驚きからだろうか、目を見開いた。
私は笑満の手を振り払うように腕を組んだ。
「さ、咲桜、そこまででやめ――
「次笑いやがったら絆さん奪(と)るよ」
感情のない声にか、降渡さんは口元を歪めた。愉快そうに。
「……最後の、咲桜ちゃんが言うと冗談に聞こえないね。ごめんね、でも」
トン――指先で軽くカウンターを弾いた。
「笑い飛ばせるモンは笑い飛ばしていーんだよ。重苦しく話したって一つも解決しない。それは咲桜ちゃんがよくわかってるよね?」
ゾクッと背筋が粟立った。
少し前に、私が流夜くんに話したこともそれだ。――私の出生。
降渡さんは少し身を屈めて囁いた。遙音先輩に聞こえないように。



