私に、がんばらないでいいと言った流夜くんが、そう願う。


だったら、どこまでだってがんばれる。


「大丈夫。流夜くんは私が護るから」
 

真剣な瞳で告げると、流夜くんは「またお前は……」と苦笑した。


カッコいいのも健在か、と呟く。


「ありがと。――咲桜のことは、ずっと俺が傍で護るから」


「はい」


「もう置いていかない。咲桜が俺の帰る場所になってほしい。俺と、結婚してください」


「―――………」
 

ふわり、微笑むことが出来た。


満開の光の中にいるような気持ちだ。


「はい。よろしくお願いします」


 




初めての恋は最悪だった。
 

天命を恨んだこともある。
 

でも、自分で選んだ運命はこれ。
 

一生を、あなたと生きる。
 

愛してる。だから、さよならをした。
 

……これからも、ずっとよろしく。









END.


『朧咲夜-番外編-』、『朧咲夜-真相-』、『朧咲夜-外伝-』に続く。