朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】



「互いに兄弟を称する二人ですから、心配されることもありません。あの二人が起こす喧嘩にしては、暴力を伴わないだけで及第点です」


「……暴力?」


「流夜さんはともかく、さくはすぐに手足が出ますので。見かけに騙されませんよう。あれで吹雪さんより喧嘩っ早いですよ」


「え……」
 

み、見かけに騙されませんようって……彼氏にそんな言いかたされるって、斎月は何をやらかしてんだ。


「ええ。アメリカにいた頃は流夜さんを武術の師としていますから、腕は相当。その二人は顔合わせたら十中八九、口喧嘩がやまないので、今日はそれについて咲桜さんの気苦労を少しでも減らせたらと思い伺いました」


「……どういうことですか?」


「もし二人が喧嘩し始めたら、一言言ってもらえればよいのです。特にさくの方には効果覿面かと」