「え? いえ、それは大丈夫――……笑満のために、何かする気なの?」


「少しな。用事が出来るから、行けないし来てもらえないけど、心配するな」
 

そっと、流夜くんが身を屈めてきた。


「りゅ―――」


「……教えてくれてありがとう。お礼」


「―――」
 

なぜそうさらっと―――お礼?


「ま、まさか頼にもこんなお礼を――


「しねーよ。どうしてお前はそう思考回路がぶっ飛ぶ」
 

泡喰って手をわたわたさせると、流夜くんは呆れいっぱいの顔をした。


「あのっ、でもお礼言われるようなことしてないよ――?」


「うん? まあ、こちらの話というか……何のために俺ら三人、揃ったまんまでいると思ってんだか、あのガキは」


「……?」


「まだまだガキなんだから、親代わりだろうが頼れっていうこと」
 

流夜くんは苦笑いした。続いて、私の左手を取った。