流夜くんと想いが同じであることがわかって不安は薄くなったけど、流夜くんに本気で告白を考える生徒がいるのを見聞きして、うー、やっぱりー、というモヤモヤした気持ちにならずにはいられなかった。


流夜くんがカッコいいのを知っているのは自分だけだったらいいのに、なんて詮無い独占欲が頭をもたげるのだ。しょうもないなあ、自分。


「尊(みこと)―。あ、お前急にいなくなるなよ」
 

その声に反応したのは、小柄な少女だった。


「衛(まもる)くん。ごめん見失ってた~」
 

少女を追って来たのは、流夜くんと同年代くらいの青年だった。


生真面目そうな面差しが第一印象だった。妹さんかなあ。


「あれ? そちらは……」
 

青年が、私を見て首を傾げた。


みことと呼ばれた少女が慌てて手を振る。