「……遙音先輩がどう決めるか――判断するか、しか、ないのかな……」
『………うん』
笑満の声は浮かない。私は軽く息を吐いた。
わかっていたことだけど、失念していた。
「でも……それが普通だよね」
『……うん。あたしも感覚マヒしてたかも』
「ごめん」
『咲桜のせいじゃないよ』
笑満の声が少しだけ軽くなった。
『とりあえず咲桜、今日も学校でね。あとでもっとラブラブ話聞かせてもらうから!』
気を取り直したように半分高い声で宣言されて、また苦みを噛みながら笑った。「うん、また」と。
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