「向こうもそういう兄評価してるからいいんですよ。遙音を高校へ進学させたかったのもありますし」


「……普通そう思っても、自分が教師になればとか考えませんよ」


「俺らはそう考えますよ」
 

朝間先生は、はあとため息をついた。


「貴方、これから周囲が変わりますよ」


「でしょうね。今まで頑張ってみたんですが……やっぱりキャラじゃない。いつかボロは出ますね」


「……わかっててその対応ですもんねえ。女子生徒には気を付けてくださいよ。特に」


「……婚約者いるって言っていいと思います?」


「うーん……退く人は退くでしょうけど……、って! なんでわたしがそんな相談乗らなきゃなんですか!」


「朝間先生が振って来たんでしょう」


「もうわたし戻ります! わたしをマナちゃんとの交渉役にとか考えないでくださいね!」


「残念です」


「ほんっと他人を使うことしか考えませんね!」
 

朝間先生は憤然と歩き出した。一応、その背を見送った。
 

うーん。……ちょっと、面倒になったなあ。