「流風(るか)?流風?!あんた、目、覚ましたの!?流風?流風!!!」

俺の手を握りしめてくる母さん。

俺も、握り返す。今度は、手が動いた。

ああ、あの夢から覚めたんだ。

「ナースコール。ナースコール。」

冷静にナースコールを押しながらも、母さんの目にはたくさんの涙が浮かんでいる。

ナースコールを押し終えたようで、俺の隣に再び戻って来る。

「流風!!生きててよかった!!」

そう言って、俺を抱きしめる。思いっきり。

「あんた、何年寝てたと思ってるの?













植物状態と診断されて、もう5年も眠ってたのよ?」