「利仁くんはみんなのものなの!独り占めしないで!」


そんなこと、言われたって……。


みんなのものなんかじゃないよ。


そうやって王子様の像を押し付けてるからダメなんだってば。



「俺は、椿ちゃんのものだよ」


言い返せなくて困ってると、ふいに横から声が聞こえてきた。


でもその言葉に、悲鳴がわき起こった。



「椿ちゃんは俺の彼女だから」


────ドクン。


う、うそ……。


利仁くんが「俺の彼女」って言ってくれるなんて。


感激しすぎて泣きそう!!



でも、女子からのブーイングが殺到。


「嘘でしょ?」


「なんであんな子が?」


そんな声が口々に聞こえてくる。