「悪い。今日はやめとく。」
口紅でゴテゴテした艶かしい唇が嫌でも目に入って興が削がれた。
「じゃせめて寝ていかない?」
女が引き止める言葉をさらりとかわす。
「いや、帰るよ。」
「いつもそう。泊まっていけばいいのに。」
女は不満そうな声を出している。
ここも、もう潮時かな。
「シャワー借りる。」
「うん。」
俺が出た部屋で女は不満を口にした。
「もう。素っ気ないんだから。」
女のアパートを出ても、いつもより早く帰れた時間を持て余していた。
仕事は嫌いじゃない。
やればやっただけの成果がおのずと付いてくる。
だからって仕事人間だったつもりも無かったが………。
ついつい足は会社に向かっていて、仕事しかないのか俺は、と嘲笑した。
「え、あれ?加賀さん?」
声をかけられて顔を上げると驚いた顔をした南が立っていた。
口紅でゴテゴテした艶かしい唇が嫌でも目に入って興が削がれた。
「じゃせめて寝ていかない?」
女が引き止める言葉をさらりとかわす。
「いや、帰るよ。」
「いつもそう。泊まっていけばいいのに。」
女は不満そうな声を出している。
ここも、もう潮時かな。
「シャワー借りる。」
「うん。」
俺が出た部屋で女は不満を口にした。
「もう。素っ気ないんだから。」
女のアパートを出ても、いつもより早く帰れた時間を持て余していた。
仕事は嫌いじゃない。
やればやっただけの成果がおのずと付いてくる。
だからって仕事人間だったつもりも無かったが………。
ついつい足は会社に向かっていて、仕事しかないのか俺は、と嘲笑した。
「え、あれ?加賀さん?」
声をかけられて顔を上げると驚いた顔をした南が立っていた。