「あ、やばい……!麗香待たせてる…!」
スマホの時計を見ると、もういなきゃいけないはずの集合時間だった。
集合時間に家出るってさすがにやばいよ……!
私は走った。
なんだか今日は体が軽いなとおもった。
しっかりとお風呂に浸かって、ぐっすり寝たからかな?
そんなことを考えながらやっと集合場所に着いた。
「はぁ……麗香、遅れてごめん!」
「え、わざわざ走ってきたの?」びっくりして聞いてくるので
「走ってきた」と真顔で返事をした。
「あ、朝から元気だね」と言われてしまった。
「早く行こ!行きながら話そう!」
そう言って、私は麗香を急かした。
自分でもびっくりするぐらい、体育祭が楽しみなのだ。
「お父さんね、わざわざ私を見送るために早起きしてたんだよ〜」
「それでね?全然家を出させてくれないの」
なんて話しながら学校に向かった。
正門を通るとグラウンドには多くの人が朝練に来ていた。
私達も早く教室に荷物置いて着替えて行かなきゃ。
教室に行くと、半数ぐらいの人の机に荷物が置いてあった。
もちろん、樋口くんと早川くんは来ているみたい。
「梨奈ちゃんまだ来てないのかな……?」
「みたいだね〜…」
「早く着替えてグラウンド行こ!」
「うん!!」と元気に返事をした。
グラウンドに行って先輩達に挨拶をする。
「おはようございます!先輩達はやっぱり気合いの入り方が私達とは桁が違うので早いですね!」
「当たり前だ、今年最後何だからな?なんと言っても一番最後の君達のリレーで勝敗が分かるんだけど……」
じっと私たちの方を見てきたので、疑問を浮かべていると、
「任せたぞ」とひとことだけ言われた。