颯樹の言葉にあたしの中の颯樹の姿がガラガラと壊れて行くのを感じる。


「本当はサッカーなんてどうでもよかった。小学生の頃からやってるけど、体力を付けて勉強への集中力を高めるのが理由なんだ。


熱心に練習してたのは、教師へのアピールのため。部活をしながら勉強でも高順位を取得する、優秀な生徒だってな」


颯樹はいとも簡単にそう言った。


「でも、それだって簡単にできることじゃないと思う」


あたしは悲しみを押し込めてそう言った。


教師に見せるためだとしても、誰もが両立できるワケじゃない。


そこに颯樹の努力があったからこそ、形になっているハズだった。