教室へ戻ってしばらくすると、ようやくA組の担任が戻って来た。


その姿を見て颯樹は博を解放し、博は逃げるようにB組へと戻って行った。


「先生、南の様子はどうなんですか?」


あたしはすぐに先生に駆け寄ってそう聞いた。


「大丈夫。今は病院で安静にしてるからな」


その言葉にあたしは大きく息を吐き出した。


南は生きているのだ。


もしからしたらもう……と、最悪な予感があっただけに心が軽くなっていくのを感じる。


「よかった……」


あのアプリに違反しても、命までは取られない。


それは大きな収穫とも言えた。