「カリンは……友達だから」


震える声で美奈がそう言った。


必死で笑顔を作っている。


「そうだよ、友達だよ」


カリンは歌うように返事をした。


上機嫌なカリンを見て少しだけ表情を緩める美奈。


友達が相手なら大丈夫……。


そう思っているのが伝わって来る。


でも、教室内の誰もそんなことは思っていなかった。


「じゃあね、友達の美奈にお願い」


「……なに?」


美奈の表情が再び険しくなる。


「犬の真似して。今、ここで」