だけど、負ければ地獄だ。


あたしは2年D組で起こっていたことを思い出していた。


「負けたとしても、たった1日誰かの奴隷になるだけだ」


颯樹の言葉にあたしは目を見開いた。


颯樹だってD組の様子を見ていたんだから、奴隷になることがどういうことか知っているはずだ。


「大丈夫。みんなクラスの友達だ。ゲームに負ける事を心配する必要はない」


颯樹の声が美奈の心を揺るがしていることがわかった。


美奈が震える唇で何かを言いかけた、その時だった。