「なによ、南が倒れたのはペナルティとは関係ないんでしょ」


冷めた口調でカリンが美奈へそう言う。


美奈は何も悪くない。


それなのに、クラスのみんなは止めに入ろうとしなかった。


ここで一歩でも前に出れば、次は自分にアプリが送られてくると恐れているのだ。


あたし自身も動けないままだった。


これ以上首を突っ込めば大学受験への影響も出てきそうだ。


A組の生徒が希望大学に落ちたなんてことになったら、笑いことでは済まされない。


今まで先輩たちが築き上げて来たものまで壊してしまう事になるのだ。


それを恐れて、自分から声をあげることはできなかった。