「ちょっと、どうしたの?」


南の前の席の子が立ち上がってそう声をかけた。


しかし南は返事をせず倒れたまま激しく痙攣しはじめたのだ。


ビクビクと、陸に打ち上げられた魚のように跳ねる南に教室のあちこちから悲鳴があがる。


「誰か、先生を呼んで来て!」


誰かがそう叫んでも、あたしは動くことができなかった。


それ所か、痙攣する南から目をそらすことすらできない。


半分開けた口がどんどん乾いていくのを感じる。


南は何度も何度も体を撥ねさせ、口の端からブクブクと泡を吹き始めた。