颯樹は気にしていない様子だ。


確かにゲームかもしれない。


でも、博は昨日からずっと怯えているのだ。


「博とは友達でしょ」


「そうだよ。だからこの程度で済んでるんだ」


颯樹の言葉にあたしは絶句してしまった。


目を見開いて颯樹を見つめる。


ゲームの相手が博じゃなかったら、颯樹はなにをするつもりなんだろうか。


考えただけでも背筋が寒くなった。


「ただ1つ言えることは、このゲームは最高だ。次はお前に紹介してやろうか」


そう言ってスマホを取り出す颯樹に、あたしは強く左右に首を振ったのだった。