歩の人生を大きく狂わせてしまった自分が、弁護士になんてなれるわけがないと感じ始めていた。


あたしはもう弁護士になるべき人間ではなくなってしまったのだと。


それならもう、どこの大学へ行っても同じ事だった。


ずっと目指していた場所がすごく遠くに感じられて、あたしは教科書を閉じた。


ここにいても仕方がないと感じて、教科書を鞄へ詰めて行く。


あたしも帰ろう。


そう思って立ち上がった時、教室のドアが開いた。


中へ入って来たのは中本愛美(ナカモト アイミ)、糸島拓(イトジマ タク)、石戸ミノリの3人だった。


3人は歩が窓から落ちた時に教室内にいたから、先生に説明をしていたらしい。