出て来たのは色白の綺麗な女性で、一瞬博のお姉さんかと思った。


しかし笑顔の目じりや口もとに微かなシワが浮かんでいて、それがお母さんであることがわかった。


若々しくて綺麗な人だ。


「久しぶりね颯樹君。その子は友達?」


鈴の音のような綺麗な声でそう質問されて、背筋が伸びた。


「初めまして、颯樹と同じクラスの宮田です」


早口にそう言って頭を下げた。


博のお母さんは優しい笑顔を向けてくれた。


「博は帰って来てますか?」


颯樹がそう質問をすると、お母さんは頷いた物の階段を見上げて困ったように頬に手をあてた。