颯樹の奴隷になってしまった。


カタカタと、壊れたねじまきのオモチャのように教室後方へと視線を移動する。


そこには颯樹の奴隷になった生徒たちがいた。


みんな一様に颯樹に怯え、殴る蹴るの暴行を受けたりパシリのように扱われている。


あたしも彼らと同じだ。


同じなんだ。


その事実が胸を貫く。


「心配すんな。貴美子は仲の良い友達だ、あんな奴らと同じ扱いはしない」


颯樹があたしの耳元でそう囁いた。


全身に寒気が走る。


「今日の放課後開けておけ」


あたしはそう言われ、素直に「はい」と、頷く事しかできなかったのだった。