視線は川へと向かう。


流した。


なにを?


そんなこと、聞かなくてもわかっていた。


だってあたしが歩に命令したんだから。


この川にツバサを流したのだ。


あたしは汚れた姿の歩から数歩後ずさった。


あたしは取り返しのつかないことをしてしまった。


人を殺してしまったんだ!


そう思うと全身から体温が奪われて行った。


「違う……あたしじゃない……」