あたしはすぐに石階段を探して河原へと駆け下りた。


近づいてみるとそれは歩だとわかった。


歩の顔は月明かりに照らされ、緊張してこわばっているのがわかった。


服のあちこちが破れていて、ひどく汚れているのもわかった。


「歩……」


あたしはすぐに言葉を発することができず、そこで止まってしまった。


「安心しろよ。ちゃんと重しを付けて流したから」


歩が奇妙に口角をあげてそう言った。


その瞬間、ヒュッと喉鳴らして息のを見込んだ。