突然塀に押し付けられたことで激しい痛みが背中に走っていた。


「余計なこと言うんじゃねぇよ」


目玉がこぼれ落ちてしまいそうなほどに目を見開き、ツバサが言った。


声を出そうと口を開いた瞬間、ツバサの右手によって塞がれてしまった。


「俺はお前らとは違う。一流の大学に行くんだ。アプリごときで勉強の邪魔されたくねぇんだよ」


ツバサが顔を近づけて威嚇するようにそう言った。


全身に恐怖が駆け巡り涙で視界が滲んでいた。


ツバサのこんな顔を始めて見た。


全身がガクガクと震えだして止まらない。


普段歩かない小道をツバサが選んだのは、あたしを脅すためだったのかもしれない。