紗菜の目には必死さと涙が浮かんできていた。


「貴美子はあたしとゲームをして王様になった。それでもその地位を利用なんてしなかった!」


「なに言ってんの? 今日学校サボらされてたじゃん」


カリンが覚めた表情で紗菜を見つめる。


「違う! 貴美子はこのゲームを終わらせる方法を探してた。だから自分も手伝おう思ったの!」


必死に訴えかける紗菜に、胸の奥がジンッと熱くなって感じられた。


「貴美子はちゃんとゲームを終わらせる方法を見つけた。誰も傷つくことなく終わる方法だよ! それなのに、どうして理解しようとしないの!」


感極まったのか紗菜の目から次々と涙があふれ出していた。