電車で15分の隣街へ到着すると、あたしたちは一旦図書館へと向かった。


あたしたちの街の図書館には置かれていない本があるかもしれない。


高田高校へ行く前にあのアプリについてもう少し調べてみることになったのだ。


「なにもないね……」


亜美が落胆の声で呟いた。


ここでも《絶対命令アプリ》についてはなにも見つけることはできなかった。


莫大な本の中からたった1つの物を探すというのも、そもそも無茶なことだったのかもしれない。


「まだ早い時間だし、もう少し調べてみようよ」


落胆している亜美を励ますようにそう声をかけた。