「そのアプリがバグってないなんて、おかしいね」


あたしと颯樹は肩を並べて校門へと歩きながら、あたしはそう言った。


「だよなぁ。ジャンケンして、王様ですって言われて、で、どうすんだって感じ」


颯樹はさっきから不機嫌そうだ。


泰二はなにか知っている様子だったけっれど、教えてくれなかったからだろう。


あたしは泰二の自由な容姿を思い出して軽く嫌悪感を抱いた。


A組の生徒が仲良くするような生徒じゃないと思える。


「ねぇ颯樹。あの泰二って人は友達?」


「あぁ。あいつもサッカー部だ。ほとんど幽霊部員だけどな」


そう言って笑う颯樹。


それならあまり近づかない方がいいんじゃないかな……。


そんな気持ちをグッと飲みこんだ。