泰二と呼ばれたその人はニヤつきながら近づいて来て、そう言った。


「どうして博に用事だってわかったんだ?」


颯樹が首を傾げてそう聞くと、泰二は「だってお前、王様だろ?」と、聞いて来た。


「あのゲームのこと知ってるのか」


「このクラスじゃあっという間に広まるからな。お前らのクラスはどうだ?」


「A組じゃ俺1人だ」


そう言う颯樹に、泰二は目を丸くして瞬きを繰り返した。


「そっか、A組だもんな」


「なぁ、あのゲームってなんのゲームなんだ? バグってるみたいだし、意味わかんねぇ」


「バグってなんかねぇよ。詳しくは博にでも教えてもらえ」


泰二はそう言うと、教室内へと戻って行ってしまったのだった。