中央に出ている手のイラストがグーに切り替わる。


すると次の瞬間『勝ち!』という文字が浮かんできた。


「ジャンケンには勝ったみたいだね」


「そうだな。ってことは、俺が先行か?」


「自分で先攻後攻を決めれるんじゃないの?」


そうこう言っている間にアプリの画面が暗転した。


「あれ? 消えた」


スマホ画面をつついてみてもアプリは起動されず、沈黙を保っている。


「試験段階だからじゃない?」


あたしはそう言って颯樹のスマホから視線を離した。


まだまだバグもあるのかもしれない。


颯樹はチッと軽く舌打ちをした。


「せっかく勝ったのにバグかよ」


「仕方ないね。ゲームなんてせずに勉強しろってことだよ」


あたしはそう言って笑ったのだった。