家に帰って来たあたしは一旦リビングに顔を出し、母親に声をかけて自分の部屋へと向かった。


すぐに勉強机に座って単語帳を取り出したものの、英単語は全く頭に入って来ない。


教室を出てすぐに人が肌を打たれるような音が聞こえてきて、続けて机が倒れる音が聞こえて来た。


その音から逃げるように走って帰って来てしまったけれど、教室内でなにが起こったのかは安易に想像がついた。


颯樹は今頃、日ごろの鬱憤を晴らすように亮太を扱っているかもしれない。


そう思うととても勉強に集中なんてできなかった。


あたしは単語帳を片手に持ってベッドに仰向けに寝転んだ。