ただ、兄として出来ることは……感謝することではないな。 「んっ……」 妖斗が薄らと目を開けた。 「妖斗、大丈夫か……?随分うなされてたけど」 「……暁にぃ。うん、へーき。ちょっと頭痛いけど」 寝起きだからぼーっとしているのか、体を起こした妖斗は、焦点の合わない目で俺を見つめていた。 「そうか。……妖斗、身体売ってたんだって?」