「弟に馬鹿にされるからもう切るわ。じゃーな」



《あっ、ちょっと!!》



そう言って、翼にぃは本当に不機嫌そうに電話を切った。





弟って言われたのは嬉しいけど、大人気ない……。







「はい光輝、あんたもこのあたしがいるのに大人の人に鼻の下を伸ばさないように!!」







聖里奈が高らかに宣言した。





「……誰もしねぇよ。お前以外、俺が興味ある女なんかいねぇから」







サラッと光にぃはとんでもないことを言う。




その言葉に、聖里奈は頬を真っ赤に染めた。





「妖斗」



俺は真凛に名前を呼ばれた。





俺に隣に来るよう、片手でおいでおいでと真凛は手を振る。


「何?」




「……妖斗が今日ちゃんと帰ってこれるように、おまじない」









背伸びをして、真凛は俺の頬にキスを落としてきた。




「……ッ!?




なっ、何して……っ」




急激に、頬が熱を帯びた。