桃華が姫になるのは、翼にぃが総長になってからだ。



この前桃華を連れてきたのは、翼にぃが自慢したかっただけらしい。笑っちゃう。





「さて、行くか」




夜、ご飯を食べ終わってリビングルームで談笑をしていると、光にぃは突如テレビを消して、そう高らかに宣言した。




ピンポーン。


「……来たな」



ちょうどその時、朔と聖里奈と真凛が家に来たのを告げるインターホンが鳴った。




俺と翼にぃは慌てて、玄関へ向かった光にぃの後を追った。





「よっ!朔乃!!」




朔とハイタッチをした後、翼にぃはポケットから携帯を出して桃華に電話をかけ始めた。


「……行ってくるから」




《やましいことしてきたら許さないんだからね?》




「誰がするカーっ!!!」





頬を真っ赤にした翼にぃの怒号が道路に響き渡った。





「「アハハハ!!」」



それを見て、俺は朔と声を上げて笑った。