俺は聖里奈の胸を押し、体を離れさせた。







「正気かよ、聖里奈。





俺は穢れてっぞ………」






自分で言ってて、死にたくなってきた。





「そんなことはどうでもいいわよ!!何があっても光輝は光輝でしょ!あたしは、今のあんたを好きになったんだから!!」




何でそういうことバンバン言うんだよ……。





「……それさ、これ見て言えんの?」





俺は着ていたパーカーの袖をまくりあげ、
聖里奈に腕を見せた。





赤黒く、白い肌が見えないほどに暴行によって穢れた腕が、顕わになった。




軽蔑すると思った。






しかし、聖里奈は俺その腕をそっと優しく撫でた。




「は、お前……何してんの」





「辛かったよね、光輝。痛かったよね。




もうこんなアザは作らせないわ。




……守るわよ、あたしがあんたを」




聖里奈は俺を優しく抱き締めた。




「何でそんなこと言うんだよ……っ」



押し寄せてきた苦痛に、俺は顔を歪めた。



聖里奈の悲しそうな顔を見るのが、辛かった。


………いつだって、お前はそうやって俺の本心をいとも容易く見抜くんだ。






両目から、大粒の涙がこぼれ落ちた。