「決めるも何もない。こいつは俺の親友だ。入れる以外の選択肢はない」





翼にぃはそう言い、勢いよく朔の肩を叩いた。




「つ、翼咲、でもっ、借金は……?」




「そんなもんは、母親を見つけ出してそいつに残りの残高渡せばいいんだよ。30万くらい俺と光輝のバイトの収入でなんとかなるだろ」







泣きそうな顔をした朔に、翼にぃは何でもないように軽々と宣言した。






「……何でそこまでするんだよ」



朔は、数ヶ月前の俺みたいに戸惑った顔をしていた。




「お前が俺の親友だからじゃね?



なぁ、朔乃……人生諦めんなよ。



俺達まだ15歳だぜ?





嘘偽りなく、本当に笑って過ごせるようになろうぜ」






翼にぃは壊れたものを扱うみたいに、そっと朔を抱きしめた。