光にぃは朔の腕を引っ張り、家に入れた。
「……お邪魔します」
「ん」
そのまま背中を押して流しまで行かせ、
近くにあったタンスから、クシとハサミを取り出す。
「ヒュー、光輝スイッチ入ったな」
リビングにいた翼にぃがと一緒に流しについてきて、笑って光にぃを茶化した。
「うっせー。気になんだよ。
こんな髪、可笑しいだろ。……誰に殺られた?」
光にぃは朔のスプレーで凝り固まった髪を触り、身をすくませるほどの低い声を出した。
「えっと……」
朔は振り向き、言うべきか迷ってるような顔をして翼にぃを見た。
「……朔乃、光輝は話しても別にお前のことバカにしねぇよ」
翼にぃはそう優しく言った。