「そんじゃ、もう6時だし、そろそろ飯にするかー。1階からとってくるから、待ってろよ」




「……うん」



朔にそう言われ、俺は部屋で待機していた。





何もしないで待ってるのも暇なので、朔の部屋を観察してると、俺はふとクローゼットの横に写真たてが倒れてるのに気がついた。





「……なんだこれ」



直そうと思ってそれを取ると、俺は思わず目を見開いた。







写真の中には、赤ん坊と男女が1人ずつ映っていた。




……これが、朔の両親?




スーツ姿の男に、ピンク色の長いまるでキャバ嬢が着るようなワンピースを着た女が赤ん坊姿の朔を抱えていた。






「………忘れろ」



直後、1階から戻ってきた朔は写真たてを蹴って、俺の手から床へ落とした。