「……少しは落ち着いたか?」




そのまま30分くらい泣き続けた俺を、朔は何も言わずに抱きしめて、背中を撫でてくれた。


「……うん。ありがとう」


涙を拭い、俺は口元を綻ばせた。



「ああ。お前、そうやって笑ってる方がいいな」




朔は俺に笑いかけた。






「……努力するよ」





俺はそう静かに言った。