「まぁ、お前が話したくないってんなら俺は詮索しねぇけどよ、いい加減機嫌直せよ」





朔はしょうがないなぁとでも言うように笑った。




「……なんで」




「ん?」




「……なんでアンタも白龍の奴らも、当たり前のように俺を赦すんだよ。人の心に、ヅカヅカ入ってくんだよ。
翼にぃから聞いてんだろ?………俺は人殺しだ」







なんでそんなにあったかいんだよ……。






「……あのさ、俺もお前の昔の話翼咲から聞いたけど、正直あれ聞いてお前のこと人殺しだって言う奴がいたら、俺はそいつの神経疑うよ。



ありゃあお前じゃなくて喰蝶が人殺しだろ」





「………でも俺、何もできなかった」





…………今も昔も、俺は何もできてない。






「……別に、できなくたっていいんじゃねえの?誰かを守るとか、そんなもんはこれからできるようになっていけばいいんだよ」






朔は穏やかに笑った。