柊と書かれた表札がある

朔の一軒家の前についた。






「はぁ……っ、なんでこうなった」





膝を抱えて、走ったせいで荒くなった息を整えながら、俺はぼやいた。




「……お前が頑固だからじゃね?ていうか、体力ないな。5分も走ってねぇよ」





「……ろくな環境で育ってないんだよ。上がんないからな?」




誰が上がるかよ。



「じゃあ野宿でもするわけ?」






「うっ……絶対明日の朝には出るからな」





俺は朔の胸ぐらをつかみあげ、顔を睨みつけた。





「わーったわーった、好きにしろよ」