クラッ。



「暁斗!!」


「兄さんっ!!」





兄さんは吐いた直後、眠るようにベットに倒れた。





「……大丈夫だ、これは疲労で気を失っただけだ。




ただ、一応CT検査はさせておく。





妖斗、恐らく暁斗は起きるとしても明日だ。



――今日はもう帰れ」







空にぃは俺にそう静かに告げた。





俺には、頷くことすらできなかった。




間もなくして、兄さんは担架でCT検査の部屋まで運ばれた。






俺には、兄さんがいなくなった1015号室の病室で、立ち尽くすことしか出来なかった……。