「……俺は、もう誰も殺されるのを見たくないし、死なないで欲しいよ。できるかどうかなんて分かんないけど、俺だって少しは兄さんを守りたいよ。……少しはっ、頼られたい」



身体は震え、声は弱々しさを醸していた。




それでも、俺は確かにそう言い切った。



養うことくらい……してみせる。






きっとそれは、弟の俺の義務なのだから。





ブーブー。



直後、ナニカの音が鳴った。



「まずい!暁斗の病室からナースコールだ!!妖斗、これで金払ってろ!!」




俺に2000円を突き出し、空にぃは大急ぎで医者を呼んで兄さんの所へ向かった。





金を払って空にぃの後を追うと、



兄さんはついさっき病室で食べたお粥を



嘔吐していた。




心臓が抉られたみたいな嫌な感覚が俺を襲った。




……やっぱり、無理してたんだ。