「……違う。 俺は、出来た弟なんかじゃない。 売色だってして、 せっかく残されたのに、学校にだって通えてこなかった。 兄さんみたいな優しい人がいる世界のことなんて、特区の党に忘れてた……」 「妖斗、そんなこと……」 妖斗は俺が否定しようとしたところで首を振り、頭に置かれていた病的にやせ細った俺の手を取り、触った。 そして、もう一度言葉を紡いだ。