俺は妖斗を残そうとした。 親が目の前で殺されたあの日、 死に物狂いで、喰蝶から守ろうとしたんだ。 そのことは後悔していない。 でも、妖斗を一人残したことは心残りだ。 妖斗の涙は、いともたやすく俺の心を揺さぶるんだ。 ……俺は、もう絶対に妖斗を独りにはしない。