奇跡なんて起きない。 そういつも思っていた。 俺は人殺しで、 生きる意味なんかこれっぽっちもないと思っていた。 そんなことないんだって、そう言われた気がしたんだ。 「ほら、暁斗。退院おめでとう!! 今日は快晴!絶好の退院日和だっ!!!」 空にぃは、いつの間に持ってきたのか、 床に倒れた兄さんに、花束を差し出してきた。 空にぃの隣には、同じくらいの背丈の医者がいた。 紫色の髪をしたその人からは、花の香りがして、俺はすぐに、その人が花束を持ってきたんだとわかった。