一筋の涙が、俺の頬を伝った。


兄さん……っ。






「“俺にはもう妖斗しかいない。




たとえ売色という間違い犯した奴だろうと、妖斗はれっきとした俺の弟だ。
たった一人の家族なんだよ。



昔はもっと元気な奴だった。いっつも笑ってて、俺はそんな弟が大好きだった。




悲しませるために残したわけじゃないんだ。

幸せになって欲しいから、命かけて守ったんだ!


俺が回復することで、妖斗がまた昔みたいに元気に笑っていられるようになるなら、それ以外はどうでもいい!!”




……暁斗は、そう土下座したまま声を荒らげて言ったんだ」